中世、ペストの鎮静に一役買ったのが猫。マルタには猫が溢れています。元々、島に猫を持ち込んだのは船主。「ネズミ」から食料を守る為、猫は航海にも欠かせないものであった。
マルタ猫協会は病や傷を負った野良猫達の回復を助けるボランティア団体。
運営の費用や治療費、食料費は国が援助、猫の支援は島を挙げての取り組みです。
現在ここでは400匹の野良猫を預かっている。その数は日を追って増えるばかり。
マルタは世界一と言われる猫の過密地。
淡路島の半分程の国土に70万匹がいて、餌を巡る争いも大変です。しかし、その過酷な生存競争が驚くべき進化をもたらします。
マルタの弱い猫は自らの手で梳くって餌を食べるようになった。厳しい環境から生み出される知恵と工夫。
これは常に外敵の脅威に怯えた絶海の孤島で逞しく未来を切り開いてきたマルタの歴史を偲ばせるものです。
地中海の真ん中に浮かぶ城塞都市マルタの首都「ヴレッタ」ヴレッタ市街は1980年に世界遺産に登録。
海からの侵略に備え16世紀に建設されたこの街も、今や人気の観光地、メインストリートは世界中の旅人で賑わっています。
静けさにつつまれた裏通り、「守護聖人の像」至る所に聖人の像が飾られている。城塞都市ヴレッタはイスラム勢力に対するキリスト教の砦として築かれました。
「聖ヨハネ大聖堂」
オスマントルコを退けてヴレッタの街を造ったのが聖ヨハネ騎士団、この大聖堂は彼等の聖地です。
ヨーロッパの大貴族の子息で構成され、莫大な財力を誇った聖ヨハネ騎士団、
天井には彼等の守護聖人「ヨハネ」の生涯が華々しく描かれています。ヨハネはイエスに洗礼を施したキリスト教の父なる聖人です。
「内陣主祭壇」
大聖堂で一際目を引くのが色大理石の床、400枚を超える騎士の墓標にはそれぞれの功績や名前に加え、死をも怖れぬ勇者の証に敢えて「☠ドクロ」が描かれました。
「聖ヨハネ騎士団の十字架(マルタ十字)」
騎士団はヨーロッパ8ヶ国が集まった多国籍軍。
「オーベルニュ語族の礼拝堂」「アラゴン族の礼拝堂」大聖堂にはオーベルニュやアラゴン、イタリア、ドイツ等言語別に礼拝堂が設けられている。国籍に依らず騎士団長の選出は能力視。騎士団長レイモン・ペレロスの墓碑
ペレロスはアラゴン族が誇る勇士
生涯、結婚を許されなかった彼等が国籍を越えて慕ったのが甲冑を着た聖母像
「フィラモスの聖母礼拝堂」です。