ガゼルダ宮殿
イタリア南部の町ガゼルダ
ミントゥルノの南でナポリとの中間位に有る。
18世紀にここに宮殿が建設されたガゼルダ宮殿である。ベルサイユ宮殿を真似たものであった。
1736年カルロ7世が僅か18歳の若さでナポリ王に即位した時、この王宮の物語は幕を開けた。
この王の要求はたった一つ「ベルサイユ宮殿を上回るものを造れ!」であった。
建築の責任者に選ばれたのは当時ローマの「サン・ピエトロ寺院」の修復に携わった「ルイッチ・ヴァンビデッキ」1200の部屋を持つ王宮はバロック最後の最高傑作と謳われた。しかし、建築家の企ては王宮の外にあった。
奥行き3kmに及ぶ壮大な庭園であった。3kmに亘る川を造り、そこに水を流す計画を立てたが、実際にはその大量の水を何処から運んで来るのか?
ヴァンビデッキは悩んだ末、王宮から38km離れた山の中から水を引く事にした。
王宮から見渡す丘の上に後に造られた絹織物工場が有る。絹織物工場は大量の綺麗な水を必要とするのに、この灌漑施設の技術が使われた。
38km先にある山(タブルノ山)の水源から王宮の庭に水を引く為に古代ローマを彷彿とさせる水道橋を造った。
水道橋の長さ529m、高さ85mである。その頂上の水路は1mにつき傾斜1mmという古代ローマの水道橋の技術であった。
宮殿が完成したのは着工から100年後。